大阪大学/東京工業大学 機械工学専攻 博士前期課程一般入試 受験体験記5
この記事では阪大の試験2日目を取り上げます.
2日目は数学の試験のみ,僕はこの数学に一番自信がありました.
正直ここで良い点取ればかなり良い順位で合格出来るんじゃないかなと思ってました.残念ながら現実はそんなに甘くなかったですが.
大問1の行列は明らかに例年より難しい.
大問2は極限?よく分からないから後回し.
大問3は微分方程式,複雑そうだけど解けるかな…
大問4は…統計学,過去問分析の結果今年は出ないだろうと踏んで一切対策してなかったのですが,出ました.この瞬間,大問4の0点が確定.
取れる問題は取ろうと,とりあえず通常の1.3倍くらいかけて1と3は完解,ただ2番が一向に分からない.4番は当然白紙.
結局ラスト3分辺りで,2番は極限ではなくただの図形問題だった,と気づいたのですが計算が多いのであえなく解ききれず小問1の途中で試験時間終了.
目標に全く届かない点数になってしまいましたが,仕方ないですね.
最終的な手応えとしては
- 古典力学9割
- 機械力学6割
- 材料力学5割
- 熱力学3割
- 数学5割
でした.
計算ミスあればもう少し下がるとは思います.
まあ受かったろうな,という感じはしていました.
結局筆記試験は合格しました.
倍率は1.1倍程度でした.
こちらは内部生との戦いという雰囲気が強かったです.
その後,特に準備もなく臨んだ面接ですが問題なく終えることが出来ました.熱力学の不出来については少し言及されました.
ともあれ,第一志望研究室に合格しました.
面接が気になる人は,面接で性格のわr,ゴホン,細かいところまで確認される先生に当たった時のために大学院で何をしたいか考えておくと良いと思います.
どの教科が出来たかなど,試験の感想についても聞かれました.
面接で落とされた話は聞いたことがないので,リラックスして臨めば大丈夫だと思います.
結果については後日開示があるので,また書きます.
大阪大学/東京工業大学 機械工学専攻 博士前期課程一般入試 受験体験記4
この記事では阪大の試験初日を取り上げます.
大本命の大切な試験とはいえ,東工大が滑り止めとして機能してる(つもり)な僕は気が楽でした.
東工大の試験が1日3時間で終わるのに対して,阪大は2日6.5時間あります.正直,長いので集中が切れます.
1日目は力学1.5時間,専門3時間,2日目は数学2時間です.
東工大と阪大を比較すると,東工大は問題がそれほど難しくないですが合格点が高く,外部受験生が非常に多いため倍率も高い,阪大はこの真逆といった感じでした.
東工大院は学部より定員が増えるのに対して阪大院は減るのが大きな要因だと思います.
また、この傾向には立地や教科数なども関係あるかもしれないですね、分かりませんが.
さて,東工大の試験から阪大の試験まで数日余裕があるので,力学や数学を少し復習していきました.
と言っても,殆ど時間が無いので特に何かを学んだという感じは無かったです.
そして試験初日を迎えました.
教室が寒い.
東工大の教訓を生かしてカーディガンを持っていった僕の作戦勝ちですね,隣の席の人は震えてました.
阪大の合格点は3割から4割,人気研究室でも4割台半ば程度と言われています.
先輩たちの間でまことしやかに囁かれている配点情報なるものも存在しますが,確証が無いので一応伏せておきます.
僕の目標は
- 力学7割
- 機械力学7割
- 材料力学6割
- 熱力学6割
- 数学7割
でした.
どうせ撃沈する科目があるだろうと思っていたし,あくまで目標です.
まあそんなこんなで試験開始.
まずは力学,チラチラ見た感じだと,全部典型問題だから解けそう,2番は少し計算が複雑だから計算が面倒くさそうになった辺りで後回しにするかな.
こんな感じで解いて,残り1分くらいのところで全問最後まで解けました.正解したかは分かりませんが.
昼ご飯はカロリーメイトを1ブロックだけ食べて専門科目へ.
材料力学の大問1のトラスは解答に確証が持てなさそうだから少しだけ解いてあとはパス,大問2のねじりと曲げは解けそう.
次の熱力学は…さっぱり分からない.線図だけ描いて撤退かな.
最後の機械力学は,大問1はよく覚えてないし少ししか解けない,大問2の振動は全部解けそう.
こんな感じでした.専門は機械力学以外それほど得意でも無いので,特にショックも無かったです.
その日は研究室で夜まで遊んでから帰りました(おい)
次回は阪大試験2日目と自己採点の結果です.
大阪大学/東京工業大学 機械工学専攻 博士前期課程一般入試 受験体験記3
この記事では東工大の試験について取り上げます.
先述のとおり僕は第1志望が阪大で,東工大対策は殆どしていません.
さて,試験の話をしていきます.
台風の影響も考慮して,東京には前々日入りしました.お盆の時期ということも相まって,急遽指定席を取ろうとしても取れるはずなく,新幹線で数時間立ちっぱなしになったのはキツかったです.
チケットは早めに準備しておきましょう.
ちなみに院試勉強のため引きこもり生活を続けていた僕にはかなり堪え,その後数日間筋肉痛が続きました.些細なことかもしれませんが,しっかり用意しておく大切さを感じました.
東京に着いてからは,試験前に慌てて勉強しても疲れるし,かと言って遊ぶのも気が引ける,そんな感じで過去問を適当に解いたり試験会場の下見をしたり東工大生の友人と一緒に食事したりして過ごしました.
そして試験前日,ホテルで過去問を初めて見た僕はこんな問題が出るのか…と絶句しました.阪大が計算問題ばかり出題するのに対して,東工大は知識問題も出題します.
ちゃんと出題傾向を頭に入れて勉強をした方が良かったかな,と感じました.過去問を確認するのは大切ですね(遅い)
知識問題はどこの分野から出題されるか全く分からないので対策のしようも無さそうな気はしましたが…
ともあれ試験前日に気付いても時すでに遅く,過去問の内容は一応触れておくことにして,知識問題は基本的に諦めることにしました.
東工大の合格点は55%弱と言われています.
3時間4教科,僕は数学90%,機械力学60%,材料力学60%,熱力学60%を目標にしていました.
知識問題は捨てても他ができれば大丈夫かな,といった希望とともに試験当日を迎えました.
そして試験本番,教室が少し肌寒かったですね.半袖1枚で臨んだことを反省しました.
そんな感じで試験開始の合図とともに解答用紙に名前を書いて問題用紙をパラパラめくって確認.
最初は材料力学,大問1と2はそこそこ解けそうだけど3は全く覚えてないからパス.
次は機械力学,1番は…あれ?過去問そのまま?,2番は分からないから適当に書くかな,3番は全部解けそう.
そして熱力学,うーん…全く覚えてないから時間余ったら少し解くかな…
最後は数学,あ,全問解けそう.
こんな感じで解いていきました.
分かりそうな問題はほぼ完答したから余裕で受かったかなって感じでした.
東工大の数学は簡単なので落とさないようにしましょう.これだけでかなり有利です.
パッと見た感じ分からなかった問題も,後で落ち着いて考えると結構解けました.割と時間が余ったので考える時間には余裕がありました.
感覚的に
- 機械力学8割
- 材料力学8割
- 熱力学3割
- 数学9割
ですかね.
まあ多分こんなに上手く入ってないですけど,開示出来ないのでこればかりは分からないです.
結局筆記試験は合格しました.
筆記試験倍率は受験者371人中100人程度合格の3倍台後半だと思います.(内部進学の人数がよく分からないため詳しくわからない)
東工大は院から枠が広がるので,外部生との戦いという感じが強かったです.
とりあえずこの試験を通して学んだことですが,過去問対策はしっかりすること,そして新幹線はちゃんと指定席を取ること,あと体温調節出来る服を着ていくこと,でした.
大阪大学/東京工業大学 機械工学専攻 博士前期課程一般入試 受験体験記2
この記事では勉強内容を取り上げます.
基本的に阪大の対策しかしていないので,話はそちらに寄っています.
僕は理系科目の対策を5月ごろからゆっくり始めました.所属している研究室では比較的遅くまで研究会などの用事があったため,本腰を入れて勉強に取り掛かることが出来たのは試験1か月前の7月下旬でした.
少し早めに勉強を始めて良かったなと,感じています.
機械系は数学や英語の他に,基本的に四力(機械力学,材料力学,熱力学,流体力学)と制御が重要視されており,専門科目としてここの中から複数の科目を選択することになります.
阪大と東工大は3科目を選択して解答する必要があるので,前の記事の通り流体力学が苦手な僕は専門科目として機械力学,材料力学,熱力学を選びました.(阪大はそもそも教科名が熱力学ではなく熱工学で,伝熱分野も試験範囲なので対策が必要)
詳しくは募集要項を確認した方が良いです.
これにより僕の受験科目は
と決まりました.
次に各教科の具体的な対策について書きます.
ここに興味がある人も多いのかなと思います,少なくとも自分はそうでした.
数学
僕は大学院への数学とマセマ,過去問をメインで使用していました.また,授業PDFも適宜見ていました.
大学院への数学
行列は毎年出題されているため,満点を狙えるよう準備している人が多いです.
その他の大問は例年出題分野が変わるため,あまり絞らずに対策するほうが良いと思います.
数学はマセマでの勉強のみを行っている人も多かったです.数学の試験は他教科に比べて難しいため,諦めている人が多い印象です.
力学
この教科は東工大受験で不要となるため,数学や専門科目に比べて勉強量は少なかったです.
僕は詳解力学演習という教材を使っていました.
良問が揃っていると思います.
機械力学と重なる範囲もあるので,その部分については解きませんでした.
この教材は問題数がかなり多いため,全問解き切ることはほぼ不可能だと思います.僕は出そうな問題を適当に選んで解いていました.
また古い教材の問題点でもありますが,かなり難しく,問題も多く,書体が古く行間が狭くて読みにくい,など様々な問題点もありました.
力学の教材は様々な種類があり,どれが良いとは一概に言えません.
1回生の授業で使用した考える力学を読み込んでいる人もいました.
各自で向いてる教材も違うと思うので,手に取って確認してもらうのが良いかなと思います.
専門科目
僕を含め,殆どの学生が機械系大学院への四力問題精選という教材を利用していました.
難しいですが,機械系院試勢のバイブルと言われているだけあってとても勉強になります.
問題数も多いので,2周できれば良いかなと思います.
これ以外にも授業演習で利用した問題や過去問でも勉強しました.
選択予定科目の急激な難化に備えて4教科以上勉強する人もいますが,僕はそこまで手が回らなかったです.
過去問は大抵先輩経由で手に入ります.教務かどこかで手に入った気もするので,仮に先輩経由で貰うことが厳しくても大丈夫だとは思います.
ただ,解答はなかなか手に入れることができません.
モチベ向上も兼ねて,友人や研究室の同期と一緒に問題を解き,作った答えを見せ合うのが良いと思います.(研究室同期は枠を取り合う敵,としか思えなかった僕は他の研究室の友人と解答を見せ合っていました)
英語
それぞれTOEICを利用できるため,3回生の12月から3回受験しました.理系科目の院試勉強とTOEIC対策を同時に行うのは大変なため,極力早い段階から準備しておくことをお勧めします.
TOEIC初回は金フレを少し見て模擬問題集1年分解いた程度で臨みました.何度も受ければ勝手に成績は伸びると言われているのでモチベは低かったです.
基本的に600点あれば平均,700点超えれば少し有利と言われています.(周りの内部生を見た感じもその程度で合格していました)
僕は初回で690点だったので残り2回は全く対策することなく受験し,710点,735点と微妙な伸びを見せて終わりました.
これも地味に重要なことですが,東工大は願書の提出が早くスコアシート原本を提出する必要があるため,それなりに満足できるスコアを2度取っておくことをお勧めします.僕は東工大に710点のスコアシート,阪大に735点のスコアシートを提出しました.
合格点はなんとなく決まっているので、ある程度戦略立てて勉強したほうが良いでしょう.
次回は東工大の試験対策についてです。
大阪大学/東京工業大学 機械工学専攻 博士前期課程一般入試 受験体験記1
院試対策にあたって参考となる記事が少ないため,自身の体験を書いておこうと思います.
本記事では受験校選びについて取り上げていきます.
まず初めに僕のプロフィールについて簡単にまとめておきます.
所属:大阪大学工学部応用理工学科機械工学専攻
第一志望:大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻
(以下,阪大)
第二志望:東京工業大学工学院機械系
(以下,東工大)
GPA:2.17
第一志望が比較的人気のある研究室だということを考えると,大学での成績は若干悪い方だったかなと思います.
僕自身が受験校を確定させたのが3回生の春休み,つまり受験の半年ほど前です.
第1志望は現在も在籍している研究室です.
東工大を併願先として選んだ理由は主に3つあります.
1つ目として,僕は流体力学が苦手で,受験するうえでの得点源として期待を持つことができなかったからです.
他の分野と比べ理解するまでに時間がかかるうえに,費用対効果を考えてみると割に合わないと考え,流体力学を除いた工学系科目で受験のできる併願先を選びました.
2つ目として,TOEFLは受験料が高額かつ難易度が非常に高いため,これらの受験を回避しようと考えていたからです.
大学院受験をするうえで,TOEICやTOEFLなどの国際コミュニケーション英語能力テストを英語の点数として点数に加味する大学は少なくありません.
僕自身はリスニング,リーディングには自信があったので、それに加えてスピーキングとライティング能力が必要となるTOEFLよりもTOEICを受けたほうが合理的だと判断しました.
3つ目として,阪大からの併願先として選ばれるのは主に東大,京大,東工大の3校です.
僕自身,これからのキャリアを考えたとき,上記以外の大学院に行くことはあまり興味がなかったので,これらの併願先を視野にいれていました.
以上の様な理由を満たした併願先として理想の大学は,東工大のみであったので,東工大を併願校として選びました.